旅に出ると、ドキドキの連続。
見たことも聞いたこともない文化に触れたとき、
知らない道を自分自身で歩いてみて道がどう展開していくのか見れたとき、
鮮やかな色の看板を見たときだってそう。
入ってみたいな、知りたいなの連続。
だから旅って面白いのかな。

ドキドキといえば。
バーって薄暗くて、キャンドルだけ灯されて、レコードは廻されて。
いつも片手にパイプを持っている、お茶目な蝶ネクタイをしめた白いお髭のマスターがトポトポトポと注いでくれるウィスキー。いい気分。
そして見たことのないお酒のボトルが目の前にびっしり!わたしの知らない世界って、旅に行かなくてもこんなにいっぱいあるのね!
と胸をときめかせるひと時です。
今は一児の母となり、残念ながらバーにはなかなか行かなくなりましたが。それでもパブなんかだと娘も一緒に入れたりするので、それはそれで楽しんでます。
私の呑み助全盛期には、ウィスキーが飲めるバーに主人が毎週のように連れて行ってくれました。
最初はウィスキーを飲みながら、
《はたしてこれは美味しいというのかな》
と自分に問う感じでした。
まわりの皆さんは美味しそうに嬉しそうに飲んでるのです。
《ほんとうに??》
ウィスキー超初心者のわたしは、バーボンをよく飲んでいたと思います。
ウィスキーはいろんな国で作られているようで、
アメリカのウィスキー、カナダのウィスキー、
日本のウィスキー、アイルランドのウィスキー、
そしてスコットランドのウィスキー。
タイだってウィスキーを作ってる。
全部ウィスキーだけど全部違う。
銘柄もエディションもそれぞれ違う。
そしてシングルモルトという言葉やブレンデッド、カスクなんちゃら、、という意味のわからない言葉たちが。
さらには地域名と思われるスペイサイドとかハイランドとかアイラ島とか。え!ウィスキーってなんでこんなに複雑なの?!と言葉の壁にぶち当たるのです。
ふたりでウィスキーを飲んでいると、「意味がわかればもっと飲むのが楽しくなるよ」とウィスキー辞典の主人があれよこれよとペチャクチャと話しはじめるのです。
わたしの頭のなかは「?」マークで埋め尽くされてしまいます。
わからないまま飲み進めているうちに、おそらく半年はかかって、ようやく「!」となるものに出会ったんです。
それが「余市」でした。スコットランドの「タリスカー」というウィスキーも、ひと舐めした瞬間に顔が綻ぶ体験をしました。
それから俄然、ウィスキー飲みの旅は始まりました。余市のおかげ、タリスカーのおかげで興味がやっと湧いてきたのです。そして、その好きなウィスキーがどちらもシングルモルトなんだよ、と主人が教えてくれるのです。
「しんぐるもると?」
ウィスキーを知るのって旅するのにちょっと似てます。
旅行の前に下調べをした方がいい場合と下調べなんかしないで気ままにいったらいい場合もありますよね。
まずは!味わうことから楽しみましょう。